
実家をどうするか、親が元気なうちに考え始めたあなたは、すでに正しい判断をしています。問題は「いつ売るか」ではなく、「今の正確な価値を把握しているか」です。
生前売却と相続後売却、どちらが有利かは「実勢価格(実際に売れる価格)と相続税評価額のギャップ」と「使える特例の種類」によって完全に分かれます。税金の計算もシミュレーションも、現在の正確な査定額なしには絵に描いた餅です。まずはその一点を押さえてください。
※本記事で触れる税制・特例の詳細は必ず税理士等の専門家にご確認ください。制度は改正されることがあり、個別の状況によって適用可否が異なります。
結論から言います。「どちらが得か」は2つの条件で決まる
多くの方が「生前に売る方が税金が少ない」あるいは「相続してから売った方が特例が使えてお得」と、どちらかに決め打ちしようとします。しかし現場の実態は違います。有利な選択は、その家の「今の価値」と「家族の状況」の組み合わせで毎回異なります。
あなたはどちらのパターン? 30秒チェックリスト
まず現在地を確認しましょう。
生前売却が向いている可能性が高い方
相続後売却が向いている可能性が高い方
どちらにも当てはまらない方、「そもそも評価額がいくらか分からない」という方こそ、最初に査定を受けるべき理由があります。後ほど詳しく説明します。
なぜ今、実家の「生前対策」を考える人が急増しているのか
不動産価格の高騰が「想定外の相続税」を生んでいる
東日本不動産流通機構(レインズ)の市場動向データによると、首都圏の中古戸建・マンション価格は2020年以降、継続的に高水準で推移しています。親が数十年前に購入した実家が、今や相続税の基礎控除を超える資産になっているケースは珍しくありません。
「うちはそんなに大きな家じゃないから」と思っている方も、現在の地価で評価すると基礎控除を超えてしまうことがあります。特に東京都内や主要沿線の物件ではその傾向が顕著です。
金利上昇が「売り時の感覚」を狂わせている
住宅ローン金利の上昇は、買主の毎月の返済負担を増加させます。同じ5,000万円の物件でも、低金利時代より高金利の今の方が買主が組めるローン額は小さくなる。結果として、購買意欲や価格水準に影響が出やすくなります。
ただし、「金利が上がったから不動産は暴落する」という断定は誰にもできません。エリアや物件種別によって動きは異なります。ここで伝えたいのは「将来の市況は予測できない、だから現在の価格を正確に把握することが重要だ」という一点です。
【徹底比較】生前売却と相続後売却、税制と手続きの違い
生前売却のメリットとデメリット
主なメリット
主なデメリット
相続後売却のメリットとデメリット
主なメリット
主なデメリット
比較表:生前売却 vs 相続後売却
| 比較項目 | 生前売却(親が売却) | 相続後売却(子が売却) |
|---|---|---|
| 主な税制特例 | 居住用財産の3,000万円控除等 | 小規模宅地等の特例、空き家特例等 |
| 遺産分割のしやすさ | 現金化されるため1円単位で分けやすい | 不動産のままでは分けにくく、代償分割等の資金が必要になる |
| 最大の注意点 | 売却後の親の住まい確保 | 遺産分割協議の長期化・共有名義化による塩漬けリスク |
| 認知症リスク | 親が判断能力があるうちに完結できる | 相続後なので関係しないが、生前対策が遅れると売却機会を失う |
※各特例の適用可否は個別の状況によって異なります。税理士に確認してください。
【現場事例】プロが見た「対策」の成功と失敗
成功事例:査定と相続税評価額のギャップを可視化し、課税対象資産約1,500万円を適切に対策できたケース
東京都内の戸建てを所有するご家族からご相談を受けた事例です(個人特定情報は非公開)。
相談のきっかけは「相続税がどのくらいかかるのか不安で、一度不動産の価値を確認したい」というものでした。よくある相談です。しかしこの事例で重要だったのは、単に「いくらで売れるか」を出して終わりにしなかったことです。
当社では売却査定価格と同時に、相続税の計算基礎となる「相続税評価額」との比較を行います。この作業によって、現預金と不動産を合算した際に、課税対象となる資産が約1,500万円存在することが明確になりました。
「意外と多い」というのがご家族の率直な反応でした。
このケースでは、不動産をそのまま相続した場合、納税資金が不足する可能性が高いことが判明。そこで提携税理士と連携し、生前に不動産を売却して現金化した上で、生命保険の非課税枠の活用や暦年贈与などの合法的な対策を組み合わせる方針を立てました。「売ること」ありきではなく、「ご家族の資産をどう守るか」を起点に動いた結果です。
このケースから得られる教訓:不動産の査定価格と相続税評価額は別物です。両方を把握して初めて、「売るべきか・残すべきか」の判断ができます。
失敗事例:「高額査定」を信じて売り時を逃し、4人の相続人が2年間身動きの取れない状態に
こちらは当社に相談が来た時点では、すでに手遅れの状態になっていた事例です。
親御さんが存命中、別の不動産会社に査定を依頼したところ、市場相場より明らかに高い価格を提示されました。「この値段なら売れる」と信じて売り出したものの、問い合わせはほとんどなく、値下げを繰り返す間に時間が経過。結局、売却が決まらないまま相続が発生しました。
相続人は4名。納税のための現金も、代償分割のための資金も誰も持っていません。話し合いの末、やむを得ず4名の共有名義で建物を相続しました。
その後が本当の地獄です。4名のうち1名が「もう少し待てば高く売れる」という立場を崩さず、売却の話し合いは止まったまま。固定資産税の負担だけが毎年続き、相談時点で2年間、物件は一切動いていませんでした。
共有名義は「全員の同意がなければ売れない」という構造上、一人の反対で全員が身動きを取れなくなります。これは不動産が「負動産」へと変わる典型的なパターンです。
根本的な原因は「非現実的な高額査定を鵜呑みにした」こと。適切な価格で早期に売却していれば、現金を4分割できていたはずです。
実家売却で親族間トラブルを防ぐ「最初の一歩」
「とりあえず高値をつけてくれる会社」を選ぶことの危険性
上記の失敗事例は、特別なケースではありません。「高額査定 → 売れない → 共有名義」という流れは、現場では繰り返し起きています。
なぜ高額査定が出るのか。理由の一つは、査定時点では高い数字を出して媒介契約を取り、その後に値下げ交渉をするという営業手法が存在するからです。売れない期間が長引くほど、資産は劣化し、交渉力も失われます。
相続を見据えた売却に必要なのは「高値競争」ではなく「確実に売れる現実的なプラン」です。
相続・生前対策に強い不動産会社の選び方
以下の3点を確認してください。
却価格の査定だけでなく、相続税評価額との比較や税務面のアドバイスを提供できる体制があるか
状況によっては賃貸活用や保有継続の方が有利なこともあります。売ることを急かすだけの会社は要注意です
「このエリアの相場はこのくらいで、この物件はこれだけの価値がある」という説明ができない査定額は信頼できません
よくあるご質問
Q1. 査定を依頼すると費用がかかりますか?
A1. 売却査定は無料です。査定を受けたからといって、売却を義務付けられるものではありません。「今の価値を把握する」ための情報収集として気軽にご利用いただけます。
Q2. 親に内緒で相場だけ調べることはできますか?
A2. 机上査定(公開情報や取引事例をもとにした概算)であれば、ご本人に知らせることなく現状の相場感を把握することは可能です。まず子ども側が情報収集し、その後親を交えた話し合いに臨むという流れをとる方も多くいます。
Q3. 実家が遠方にあっても相談できますか?
A3. 対応エリアは東京都全域・さいたま市・川口市を中心とした一都三県です。現地への立ち会いが難しい場合も、机上査定から始めることができます。詳しくはお問い合わせ時にご相談ください。
最後に:「売るか売らないか」はプロと一緒に判断してください
この記事を読んでいただいた方には、生前売却と相続後売却のどちらが有利かは「今の正確な価値を知ること」なしには判断できない、という点をまず持ち帰っていただきたいと思います。
状況によっては、売却より保有し続ける方が賢い選択になることもあります。賃貸活用が向いているケースもあります。結論を急ぐ必要はありません。
ただ、「何もしないまま時間だけが経つ」ことは、選択肢を狭めます。親が元気なうちに、今の価値を把握しておくだけで、取り得る手段の幅がまったく変わります。
当社では「売ること」を前提とせず、ご家族の状況に合わせた選択肢を一緒に整理することから始めています。無理な営業は行いません。まずは現状把握のための査定としてご活用いただければ幸いです。
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提携税理士との連携あり
免責事項:本記事の内容は情報提供を目的としており、税務・法務上の個別アドバイスではありません。相続税や各種特例の適用については、必ず税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。
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