【結論】2026年秋、不動産は「今が売り時」。ただし次は「賃貸」が正解な理由

日銀は2026年9月17・18日の金融政策決定会合で、政策金利を現在の1.0%から1.25%へ引き上げる方針を固めたと報じられています(日本経済新聞、2026年9月)。2024年3月に始まった利上げ局面の中でも最短の間隔での追加利上げであり、原油高・円安による物価上振れリスクを抑える狙いがあります。

一方で首都圏の不動産価格は、㎡単価がバブル期を超える水準まで上昇を続けています。「今売るべきか」「まだ待つべきか」——ここで私たちの立場は明確です。新たに家を買うべきかどうかは頭金次第で変わりますが、今の家を売るべきかと問われれば、確実に今売るべき局面だと考えています。ただし、売った後にすぐ次の家を買うことは勧めません。利益を確定させたうえで、一旦賃貸に身を置き、円安・インフレの行方を見極める。それが今、最もリスクの少ない選択です。

なぜそう言えるのか、金利と市場の実際のデータから順に説明します。

日銀の利上げは「買い手が減っていく」サインである

結論から言うと、金利上昇は住宅ローンの借入可能額を直接押し下げます。同じ年収の買主でも、これまで通りの金額を借りられなくなるため、今の高値圏で家を買える人は今後じわじわと減っていきます。

買主の「借入可能額」が減少し、買い控えが起きるメカニズム

住宅ローンの審査では、年収に対する返済負担率の上限がほぼ固定されています。金利が上がると毎月の返済額が増えるため、同じ返済負担率の範囲に収めようとすると、借りられる元本そのものが小さくなります。

たとえば変動金利が0.25%上昇すると、借入可能額はおおむね数%単位で目減りします。年収600万円前後の会社員層にとっては、これまで手が届いていた物件に届かなくなる、という現象が実際に起き始めます。

売主側からすれば、これは「今の価格で買ってくれる人の数が、これから減っていく」ことを意味します。価格そのものはまだ下がっていなくても、買える人の母数が縮小していく——この変化は、次の項目で見る現場のデータにすでに表れています。

成約件数の減少と価格高止まりの「ねじれ現象」

東日本不動産流通機構(レインズ)の発表によると、2026年4月度の首都圏中古マンション成約件数は3,903件で前年同月比-1.2%となり、18ヶ月ぶりの減少に転じました。特に東京23区では成約件数1,635件、前年比-9.0%と大幅な落ち込みを見せています。5月度も3,709件(前年比-3.4%)、6月度も4,241件(前年比-1.3%)と、減少傾向が続いています。

その一方で、価格・㎡単価は上昇を維持しており、在庫件数も増加傾向にあります。「価格は下がっていないのに、成約件数だけが減っていく」——これが今の首都圏市場で起きているねじれ現象です。私たちが日常的にREINSをモニタリングしている感覚としても、「まだ高く売れるが、以前より売れにくくなってきている」というのが、現場の実感に最も近い表現です。値付けを間違えると、成約までの期間が長引きやすくなっている局面だと捉えてください。

売り手にとって、この「まだ高く売れるが、買い手は減っていく」という状況は、決断を先延ばしにするほど不利に働きます。では、売った後の資金はどう扱うべきなのか。次に、売却後の不安に移ります。

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売却後の不安「インフレ・円安」へのリスクヘッジ戦略

高値で売れても、その資金の使い道を誤れば意味がありません。結論は、手元資金に十分な余裕がないなら、売却益を無理に住み替えに使わず、一旦現金化して賃貸で様子を見るという選択です。

無理な買い替えはNG。買うべきかは「頭金次第」

今の家を高値で売れたとしても、次に買う家も同じように高値です。フルローンに近い形で買い替えれば、金利1.25%への引き上げ後の返済額を、これから何十年も背負うことになります。円安・インフレが今後さらに進んだ場合、生活費全体の負担が増す中で住宅ローンの返済負担まで重くなる、というのが最も避けたいシナリオです。

頭金として使える自己資金が物件価格の3割前後確保できるなら、住み替えを進めても資金計画は崩れにくいでしょう。逆に、売却益のほとんどを次の家の頭金に回さざるを得ないなら、今は「買わない」という判断のほうが安全です。

利益確定し、一時的に「賃貸」へシフトする選択肢

自己資金に余裕がない場合、売却益を手元資金として残したまま、賃貸で当面の住まいを確保する方法があります。円安・インフレが心配だという方ほど、実は不動産という「動かせない資産」よりも、必要なときに動かせる現金と、身軽に住み替えられる賃貸暮らしのほうが、変化に対応しやすいという面があります。

金利や為替の動きが落ち着いてから、改めて自己資金にゆとりを持って住み替え先を探す。この「一旦様子見」という選択肢は、慌てて動くよりも堅実な防衛策になり得ます。

ただし、この考え方が当てはまるのは、あくまで「近い将来に住み替えの予定があり、かつ自己資金に不安がある」方です。すでにローンをほぼ完済していて資金的な必要に迫られていない、あるいは今の住まいに強い思い入れがあって手放したくないという場合は、無理に今売る理由はありません。市場が「売り時」であることと、「あなたにとって今が売るべきタイミングか」は、別の問題です。

賃貸へのシフトを検討するなら、次にどんな条件が必要になるのかを整理しておきます。

賃貸へのシフトを成功させる必須条件

結論として、売却を任せる会社とは別に、賃貸への移行まで一緒に相談できる相手を選んでおくことが欠かせません。

信頼できる賃貸管理会社をパートナーにする

売却だけを仲介する会社は、契約が成立した時点で役割を終えます。しかし今回のように「売ってから、一旦賃貸で様子を見る」という動き方をする場合、売却後の住まい探しまでフラットに相談できる存在がいるかどうかで、心理的な負担が大きく変わります。

ルームキューブは東京都・埼玉県エリアを中心に賃貸物件の管理・仲介を行っており、売却と並行して「次の住まいをどうするか」を相談できる窓口のひとつです。無理に住み替えを勧めるのではなく、売る・貸す・待つという選択肢をフラットに整理したうえで、今のあなたに合う動き方を一緒に考える相手を持っておくことをおすすめします。

ここまでの流れに対して、「本当にそうなのか」という疑問も出てくるはずです。よくある2つの反論に答えておきます。

よくある2つの反論に、先にお答えします

「まだ価格が上がるかもしれないのに、今売るのはもったいないのでは」

上値がまだ残っている可能性はゼロではありません。ただし今後の焦点は、価格の上振れ余地よりも、買い手の母数がどこまで減っていくかにあります。金利がさらに上がれば、買える人はさらに減り、価格が横ばいから下落に転じるリスクのほうが、これ以上上がるという期待よりも現実味を帯びてきます。これは断定できる未来ではなく、あくまで現状のデータから読み取れる推論としてお伝えしています。

「売って賃貸に住むと、家賃を払うだけでもったいないのでは」

高値掴みをして多額のローン利息を払い続けるリスクや、相場が下落した場合の資産目減り分と比べると、賃貸の家賃は「相場が落ち着くまでの保険料」と捉えることができます。数年単位で見れば、慌てて住み替えて損をするより、コストとして納得しやすいはずです。

迷っている状態のまま時間だけが過ぎるのが、一番もったいない選択です。次にできることを整理します。

次にできること

まずやるべきことは、今の家の正確な価値を知ることです。感覚ではなく、実際の査定額を把握したうえで、売る・貸す・買い替えるのどれが自分に合っているかを判断してください。

売るか貸すか買い替えるか、まだ決めきれていない方は、査定と並行してセカンドオピニオンとして相談することも可能です。無理に売却や住み替えを勧めることはありませんので、今の状況を整理する目的で気軽にご利用ください。

あなたの物件は今、いくらで売れるのか。売る・貸す・買い替える、迷っている方へ。
今の状況を相談する

失敗しない!不動産売却に関するよくある質問(FAQ)

Q. 利上げが決定すれば、住宅ローンの返済額はすぐに増えますか?

変動金利の場合、多くの金融機関で年2回の見直しルールがあり、金利上昇分がすぐに毎月の返済額に反映されるとは限りません。ただし借入可能額(新規に借りられる上限)には、決定後速やかに影響します。

Q. 売却益に対する税金はどのくらいかかりますか?

所有期間や特例の適用有無によって税額は大きく変わります。3,000万円特別控除などの特例が使える場合もあるため、詳細は税理士等に必ずご確認ください。

Q. 賃貸に住んでいる間に、次に買いたい物件が見つかったらどうすればいいですか?

賃貸には契約期間の縛りがあるものの、持ち家の住み替えに比べて動きやすいのが利点です。良い物件が見つかった時点で、改めて資金計画を立て直して購入を検討できます。

Q. 今すぐ決めなくても、数ヶ月様子を見てもいいですか?

判断を急ぐ必要はありませんが、金利や市場の状況は今後も変化します。まずは現時点の査定額を把握しておくことで、状況が動いたときにすぐ判断できる状態を作っておくことをおすすめします。